低用量ピルの飲み忘れに対処法はある?状況別に解説します

低用量ピルの飲み忘れに対処法はある?状況別に解説します

低用量ピルは決められた時間に飲むことが大切です。

飲み忘れることはもちろん誰にでもあることなので、慌てず今から正しい対処法をしっかりすれば、低用量ピルの飲み忘れによるリスクは下がります。

この記事では、そういった低用量ピルの飲み忘れの対処法をまとめて紹介します。

目次

低用量ピルの飲み忘れにはどんなリスクがある?

低用量ピルは正しい服用方法を守らなければ、十分な効果を得られないばかりか、特定の症状やリスクが生じる場合があります。

低用量ピルの飲み忘れによって、身体にどのような変化やリスクが起きるのか、ここでは詳しく解説していきましょう。

不正出血が起こる

低用量ピルは、服用開始後3ヶ月くらいまでは様々な副作用が出やすいと言われています。その中でも、不正出血はよく起こる副作用の一つです。性周期に関係なく膣から出血がある症状のことです。

これらの出血は、子宮内膜が剥がれ落ちたものが血液と共に排出されることによって引き起こされます。

低用量ピルの服用を忘れると、子宮内膜を保つプロゲステロンが不足します。それが原因で、子宮内膜の一部が剥がれ落ちて不正出血を引き起こします。

特に、性周期の15日目以降は低用量ピルを服用していても、ある程度は子宮内膜が厚くなっているものです。

この時期に低用量ピルの服用を忘れると、不正出血を起こしやすくなるので注意が必要です。

また、気をつけてほしいポイントとして、不正出血は子宮や卵巣・膣の腫瘍やがんなど、他の病気によって引き起こされるケースもあります。

出血量が多い場合や、長く続く場合は早めに専門医へ相談をするようにしましょう。

妊娠の可能性が高くなる

低用量ピルの飲み忘れで最も気を付けたいのは、妊娠の可能性が高くなることです。

特に2日以上の飲み忘れでは、排卵が起こってしまうことも少なくありません。

2日以上の飲み忘れがあるときは、服用を中止し消退出血を待ち、新たな周期としてはじめから服用を開始することが進められています。

低用量ピルの飲み忘れは何時間まで大丈夫なの?

低用量ピルを飲み始めた頃は飲む習慣がまだできていないので、飲み忘れることがあります。

低用量ピルを飲んでいるときの妊娠率が約0.3%に対し、飲み忘れがある場合は約0.9%まで上昇すると言われています。

飲み忘れがある場合は、落ち着いて対処することが大切です。

何日分飲み忘れたのか、第何週目で飲み忘れたのかによって対処法や緊急避妊の必要の有無も変わります。

一般的に低用量ピルの実薬(薬の成分が含まれているもの、28日タイプではれば1~21日目までが実薬、21日タイプであればすべて実薬)を7日連続で飲むと、その周期には正常な排卵は起こらず避妊効果を得られると考えられています。

分かりやすく表にまとめ、それぞれの場合についても解説していきましょう。

遅れた日数と週忘れていた間の避妊効果気付いたときいつも飲む時間明日からの対処法再開後の避妊効果
1錠飲み忘れ(開始が1日遅れた場合)緊急避妊不要
1錠まず服用
いつも飲む時間に1錠服用通常通り続ける
その日から避妊効果あり
2錠飲み忘れ(開始が2日遅れた場合)緊急避妊不要
1錠まず服用
いつも飲む時間に1錠服用通常通り続ける
その日から避妊効果あり
3錠飲み忘れ(開始が3日遅れた場合)第一週セックスがあれば緊急避妊

緊急避妊の翌日から通常通り続ける再開後7日間はコンドームを併用(8日目からは避妊OK)
3錠飲み忘れ(開始が3日遅れた場合)第一週セックスがなければ築いたときに1錠服用いつも飲む時間に1錠服用通常通り続ける
再開後7日間はコンドームを併用(8日目からは避妊OK)
3錠飲み忘れ(開始が3日遅れた場合)第二週緊急避妊不要
1錠まず服用
いつも飲む時間に1錠服用通常通り続ける
再開後7日間はコンドームを併用(8日目からは避妊OK)
3錠飲み忘れ(開始が3日遅れた場合)第三週緊急避妊不要
実薬を最後まで飲み終え休薬せずに次のシート開始その日から避妊効果あり
3錠飲み忘れ(開始が3日遅れた場合)第四週緊急避妊不要
忘れた分は捨てる今日飲む分を1錠服用通常通り続ける
その日から避妊効果あり

以上のように少し複雑ですが、より分かりやすく詳細を解説していきます。

※緊急避妊とはアフターピルを用いた避妊のことをいいます。

低用量ピルを飲み忘れて12時間以内の場合

飲み忘れから12時間以内で気づいた場合は、その時点で忘れた分を服用します。翌日からはいつもと同じ時間帯で服用を続ければ問題ありません。

12時間以内の飲み忘れの場合、排卵が起こることはありません。妊娠することもないので、そのまま他の避妊法を使うこともなく、性行為を行っても問題ないとされています。

低用量ピルを1日飲み忘れてしまった場合

(例:毎日19時に飲んでいる場合)

1日飲み忘れて、服用時刻前に気付いたとき

飲み忘れに気付いた時点ですぐに飲み忘れた分の1錠を飲みましょう。その後は毎日同じ時刻に飲めば問題ありません。

妊娠の可能性はほとんどないですが、飲み忘れが第一週目の初めや第三週の最後などの場合は緊急避妊を考えてもいいでしょう。

休薬期間が7日を超えると、排卵が起こり妊娠の確率が高くなると一般的には言われています。

1日飲み忘れて次の日の服用時刻に飲み忘れに気付いたとき

飲み忘れた昨日の分の1錠を合わせて2錠飲むようにしましょう。その後は毎日同じ時刻に飲めば問題ありません。

妊娠の可能性はほとんどないですが、飲み忘れが第一週の初め、もしくは第三週の最後ならば緊急避妊を考えてもいいでしょう。

低用量ピルを2日以上飲み忘れてしまった場合

(例:毎日19時に飲んでいる場合)

飲み忘れに気付いた時点ですぐに2錠飲むようにしましょう。その後は今まで通り同じ時間に飲むようにします。

避妊効果は弱まるので、飲み忘れに気付いた後、実薬を7日連続で内服するまでは避妊具を使用するか、性交渉自体を避けるようにしましょう。その間に避妊に失敗した場合は、緊急避妊が必要となります。

飲み忘れる前の性交渉による妊娠の可能性は、ピルを飲み忘れたのが何周目かによって異なります。

飲み忘れが第一週の場合

休薬期間中や、第一週目に性交渉があった場合は緊急避妊を検討しましょう。

飲み忘れが第二週の場合

飲み忘れる直前7日まで正確に飲めていれば緊急避妊の必要はありません。

飲み忘れが第三週の場合

飲み忘れるまでの7日間連続で正しく飲めていれば緊急避妊の必要性は低いです。

この場合、休薬期間を作らず(偽薬を飲まず)、現在のシートの実薬を飲み終えたら(28錠タイプなら21錠目まで飲み終わったら)翌日からは次のシートに移るようにしてください。

低用量ピルを3日以上飲み忘れてしまった場合

(例:毎日19時に飲んでいる場合)

3日以上連続して飲み忘れがあった場合は、おそらく生理が来てしまっていると思います。低用量ピルの飲み忘れで生理が来てしまった場合、そのシートは使用できません。低用量ピルの服用は中止して、その月は他の避妊方法を選びましょう。

次の月経の初日から新しいシートの低用量ピルを飲み始めるようにします。新しいシートの低用量ピルを少なくとも7日間連続で飲むまでは、必ず避妊をするようにしましょう。飲み忘れる前の性交渉による妊娠の可能性は、ピルを飲み忘れたのが何週目かによって変わります。

飲み忘れが第一週目の場合

休薬期間中や第一週目に性交渉があった場合は緊急避妊を考えましょう。

飲み忘れが第二週目の場合

飲み忘れる直前7日間連続で正しく飲めていれば緊急避妊は必要ありません。7日間連続で飲めていなければ緊急避妊を考えましょう。

飲み忘れが第三週目の場合

飲み忘れるまでに7日間連続で正しく飲めていれば緊急避妊の必要は低いです。

この場合、休薬期間を作らずに(偽薬を飲まず)、現在のシートの実薬を飲み終えたら(28錠タイプなら21錠目まで飲み終わったら)翌日からは次のシートに移るようにしてください。

以上のように、ピルを飲み忘れた日数も大事ですが、「何週目に飲み忘れたのか」「飲み忘れ前の7日間正しく飲めていたのか」なども大きく関わってきます。

もし、記録していなかったり、不安な部分があるのであれば、かかりつけている病院やクリニックなどに相談するようにしましょう。

低用量ピルの飲み忘れをなくす工夫をしよう

低用量ピルの飲み忘れをしてしまうと、上述の通り十分な効果を得ることができないことがわかります。

効果を正確にするために、妊娠を避けるためにも飲み忘れをなくすことが大切です。

意外と毎日忘れることなく薬を飲み続けるのは大変なことです。

そこで、ここでは低用量ピルの飲み忘れ対処法を紹介しましょう。

生活サイクルに合わせて飲む

飲み忘れを防ぐためには、一日3食など毎日の規則正しい生活を習慣つけることが大切です。

生活の中に紐づけることで、飲み忘れを防止することができます。

ルーティンなどの中に、薬を飲むということを入れてしまうことで飲み忘れを防止できるでしょう。

自身が最も忘れにくい時間帯などに設定しておくといいですね。

この方法は、飲み始めの頃は慣れなくても、次第に習慣化されると飲み忘れも減っていきます。

アラームを設定する

習慣の中に入れても忘れてしまう不安がある方には、服用する時間を決めてスマホのアラーム機能などを使用し、毎日鳴るように設定するのもいいでしょう。

毎日決まった時間になるので、旅行やいつもと異なる状況などが生じても、飲み忘れをすることなく服用できる確率があがります。

生活のリズムの中で、服用の時間を決めることと同時にアラームも使えば、さらに飲み忘れることも減るでしょう。

管理アプリを使う

今は低用量ピルの正しい服用を促すアプリも多く開発されています。

スマホやタブレットなどでアプリを入れて、自分で管理をおこなうこともおすすめです。

これらのアプリは、飲み忘れを防止する機能だけではなく、服用後の記録もおこなうので、飲み忘れのリスクを減らすことができます。

また、万が一飲み忘れてしまった場合でも、記録が残っているのでいつから飲んでいないのかすぐにわかります。飲み忘れの対策も正確にできるのでおすすめです。

低用量ピルの飲み忘れのないように正確な生活リズムを心がけよう

低用量ピルは毎日1錠飲めばいいだけですが、飲み忘れがあると妊娠の可能性も出てきてしまいます。そういった場合、緊急避妊などに頼らないでいいように自己管理をおこなうことも大切です。

安心安全に低用量ピルを使用するために、飲み忘れがないような習慣と飲み忘れがあった場合の対処法をしっかり覚えておきましょう。

それによって冷静な判断ができるようになります。ぜひ、今回の記事を参考に生活の中で低用量ピルをうまく使っていきましょう。

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