エクオールの効果や働きは?推奨摂取量や摂取方法、多く含まれる食べ物などについても解説!

エクオールの効果や働きは?推奨摂取量や摂取方法、多く含まれる食べ物などについても解説!

エクオールはエストロゲンと似た働きをする成分で、人によっては体内でエクオールを作れる人と作れない人がいます。体内でエクオールを作れない人や体内のエクオールが少ない人は食事から摂取することができます。

エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって変化したもので、大豆イソフラボンが含まれた食品を積極的に摂りましょう。イソフラボンの1日の摂取上限量を守れば普通の食事で補っても問題ありません。イソフラボンのサプリメントで補うのも手です。

今回はエクオールの効果と摂取方法について解説します。

目次

女性の強い味方「エクオール」とはどういうもの?

エクオールとは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする成分で、大豆製品を食べると大豆イソフラボンの一種が腸内細菌の力を借りて変化します。

エクオールの作用は以下の通りです。

  • エストロゲン様作用:女性ホルモンに似た働きをします。
  • 抗エストロゲン作用:エストロゲンが過剰なときにその作用を抑える作用です。
  • 抗アンドロゲン作用:男性ホルモンの働きを抑える作用です。
  • 抗酸化作用:加齢とともに低下する成分で、アンチエイジングを目指す方には欠かせません。

エクオールの発見と歴史

エクオールは1930年にイギリスで発見されましたが、その後は日本をはじめ世界ではあまり研究をされていませんでした。

1996年に大手製薬会社の「大塚製薬」が大豆イソフラボンの機能を盛り込んだサプリメントの研究がスタートし、エクオールの成分に着目。のちに大豆イソフラボンのサプリメントが誕生しました。

その後は他のメーカーもエクオールのサプリメントや食品を次々と開発し、現在に至っています。

エクオールを作れる人と作れない人

エクオールは日本人の2人に1人しか作れません。

2014年に行われた「日本疫学会」の発表によると、地域別のエクオール産生者が関東の44.1%が最も高く、九州40.8%、中部39.7%、近畿34.7%の順で、地域によってエクオールを自分の体で作れる人と作りにくい人が明らかになっています。

参考:第24回 日本疫学会学術総会 講演集

また、中高年女性の方が20代の女性に比べて51.6%とエクオールを自分の体で作れることが明らかで、食生活の欧米化によるものだと言われています。

エクオールを作れる人・作れない人の特徴

  • エクオールを作れる人
    豆腐・納豆などの大豆食品をはじめ、野菜・きのこ類・海藻類・穀物・魚・緑茶など多種類の食品を多く摂っている、運動・睡眠と基本的な生活習慣ができている人、ベジタリアンの方など
  • エクオールを作れない人
    飲酒・喫煙の習慣がある、外食が多くバランスよく栄養が摂れていない、便秘気味・排便過多、運動不足、睡眠不足など

食事の欧米化だけでなく、運動・睡眠の量の多さ・少なさ、飲酒・喫煙の有無なども大きく影響しています。

エクオールと大豆イソフラボンの違い

エクオールと大豆イソフラボンの違いですが、大豆イソフラボンは豆腐や納豆などの大豆食品に含まれている成分です。エクオールは食事によって摂取した大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換し、エクオールに変化します。

エクオールにはどんな効果が期待できる?

エクオールにはさまざまな効果があります。代表的な効果について解説します。

更年期障害の対策となる

エクオールの効果の一つに「更年期障害対策」が挙げられます。更年期障害は女性ホルモンの低下とともにうつやホットフラッシュ(顔などが赤くなったり、大量の汗をかく症状)、肩こり、頭痛などが起こります。

「レディースヘルス」の調査によりますと、エクオールを産生しない閉経後の女性にエクオールを摂取した群とプラセボ群に分けて比較すると、エクオール群の方がほてりの頻度がベースラインから大幅に減少し、のぼせの重症度と首や肩の筋肉のこわばりが有意に減少したことが報告されています。

参考:A natural S-equol supplement alleviates hot flushes and other menopausal symptoms in equol nonproducing postmenopausal Japanese women

エクオールを摂取することで、更年期障害の予防と対策につながります。

生活習慣病のリスクを軽減する

エクオールは更年期障害の予防だけでなく、生活習慣病のリスクを軽減する作用があります。

「北米閉経学会(NAMS)」の発表によりますと、50代においてエクオール産生者は非産生者と比較して、体脂肪の数値が35.7%、内臓脂肪面積が41.8㎠などの結果が報告され、さらに60代においてもエクオール産生者でHDLコレステロールが良好、動脈硬化や骨吸収抑制に優位な関連が認められています。

参考:エクオールに生活習慣病リスク低減の可能性

エクオールが閉経後女性の世代の生活習慣病リスク軽減が期待されています。

骨粗しょう症を予防できる

エクオールは骨粗しょう症の予防にも。

骨粗しょう症のリスクの高いグループにおいて、エクオールの12か月以上の継続摂取により、骨の新陳代謝を担うホルモンの数値が50%改善、尿中NTXも約26%改善され、骨粗しょう症の予防効果が報告されています。

参考:エクオールは更年期症状のほか、血管や骨への効果も

エクオールは更年期障害や生活習慣病、骨粗しょう症の予防に効果があることが、研究結果で実証されています。

バストアップをサポートする

上記以外にもエクオールで肌のしわの改善や手指の不調の改善などが報告されています。

専門家ではない一般人の個人ブログでは「エクオールでバストアップができる」と書かれているものが散見されます。結論から申し上げますと、エクオールでバストアップができる保証はありません。バストアップに関しては論文自体もほとんどなく、エビデンスも十分なものではありません。

しかし、エクオールはエストロゲンと似た働きをするため、子宮や乳腺など、多くの器官の健康を支えています。

エクオールの適正な摂取量はどれくらい?過剰摂取による悪影響はある?

エクオールは更年期障害、生活習慣病、骨粗しょう症の予防に効果があることがわかりましたが、摂取量はどれくらい必要でしょうか?また、過剰摂取による悪影響はあるのでしょうか?

エクオールの適正量の基準と、過剰摂取の注意点

エクオールを生み出すには大豆イソフラボンの摂取が必要で、1日あたりのエクオール摂取量は10mgが目安です。大豆食品から摂取する場合、豆腐2/3丁(200g)、納豆1パック(50g)、豆乳1杯(200g)で、普通の食事では十分に補えます。

食事以外ではサプリメントを補給するのも手ですが、厚生労働省ではイソフラボンの1日量の上限が70~75mgと定められています。イソフラボン100mgのうち、食事では1日20~25mg、サプリメントで75mg摂取しても合計100mgとなります。

ただし、イソフラボンのサプリメントを何種類も過剰摂取すると、子宮内膜が増殖し、子宮体がんのリスクが起こる恐れがあります。

イソフラボンを摂取する際に1日に75mgまでは大丈夫なのかと思われますが、日常の食生活では十分に取れているとは言えず、サプリメントで補うことになります。

イソフラボンが1日75mgまでの摂取なら、食事では20mg前後ですので、サプリメントでは30mgまでなら問題ありません。

ただし、イソフラボンのサプリメントは用法・用量を守って摂取してください。

すでに病院で治療などをしている人は要相談

エクオールの副作用は今のところ報告されていませんが、持病のため病院で治療を受けている方は医師にご相談ください。

また、イソフラボンの原料である大豆はアレルギー物質でもありますので、大豆アレルギーの方は摂取を控えてください。

エクオールはどんな食べ物から摂取できる?

ここでエクオールを生成する原料となる、大豆イソフラボンを多く含む食品を紹介します。

食べ物(1食分の量)含有量
納豆(1パック(50g))65mg
豆乳・大豆飲料(125ml)69mg
豆腐(1/2丁(110g))55mg
油揚げ(1/2枚(75g))52.5mg
大豆煮(50g)30mg
きな粉(大さじ1(6g))15.6mg
みそ(大さじ1(18g))7.2g

大豆イソフラボンが含まれる食品は大豆食品のみ。エクオールを効率よく摂るには、毎日継続して大豆食品を摂取することが大切です。

エクオールを作るための腸内環境でおすすめの食品は野菜、海藻類、きのこ類、青魚、肉があり、大豆食品と一緒にバランスよく食べると、腸内細菌の多様性が確認されています。大豆食品のみならず、食物繊維やたんぱく質を含む食品をバランスよく摂り、健康的な生活習慣を意識しましょう。

エクオールのよくある質問

ここでエクオールのよくある質問を紹介します。

普通に生活をしていても、エクオールの摂りすぎになる?

厚生労働省では、1日のイソフラボンの摂取上限量は70~75mgです。

食事でイソフラボンをとる場合は20mg前後になりますので、ごく一部の人を除き、普通に生活をしても摂りすぎにはなりません。

エクオールは何歳から何歳まで飲めばいいの?

大豆イソフラボンのサプリメントを摂取できるのは15歳以上の男女であれば可能です。更年期障害を起こしている方は特におすすめします。妊娠中・授乳中の女性は対象外ですので、大豆イソフラボンが含まれた食品を他の食品とともにバランスよく摂取するように心がけましょう。

15歳未満の乳幼児・小児についてはサプリメントから上乗せして摂取することはおすすめできませんので、大豆イソフラボンが含まれた食品を含め、バランスの良い食事をするようにしてください。

サプリメントと食品、どちらからとればいい?

大豆イソフラボンは食事でとるのが基本です。サプリメントはあくまで補助目的として摂取してください。

まとめ

エクオールはエストロゲンと似た働きをする成分で、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンが腸内細菌の力を借りて変化し、更年期障害や生活習慣病、骨粗しょう症の予防に効果があることが研究結果で明らかになっています。

バストアップについてはエビデンスがありませんが、子宮や乳腺などの各種器官の健康をサポートする作用があります。

エクオールを生み出すには大豆イソフラボンの摂取が必要で、1日のイソフラボン摂取上限量が70~75mgで、複数のイソフラボンサプリメントを過剰摂取しない限り、問題ありません。

イソフラボンのサプリメント摂取量は30mgまでで、基本的には大豆イソフラボンが含まれている大豆製品をベースに、野菜や海藻類、魚などをバランスよく食べるようにしましょう。

また、運動や睡眠などの基本的生活習慣もエクオールを作れる基礎となっていますので、毎日の飲酒・喫煙は避け、適度な運動と十分な睡眠をとるよう心掛けてください。

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